Essays & Music

⭐︎Joe Hisaishi – Ashitaka and San

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八咫烏は、道を導く

ネットを開くと、「八咫烏は日本の裏の支配者だ」「秘密結社の象徴だ」など、さまざまな噂が飛び交っています。

でも、ちょっと待ってください。

そんなオカルト話よりも、私たちが知ることのできる「本物の八咫烏」のほうが、ずっとロマンに溢れていて面白いのです。

本物の歴史と神話こそが、実は一番面白い。

私は最近になって、「八咫烏(やたがらす)」という存在を知りました。調べてみると、まず目に入るのが三本足のカラスです。

けれど、どうやら古代の八咫烏が、最初から「三本足」として描かれていたわけではないようです。八咫烏とは日本神話に登場する神の鳥。

『古事記』や『日本書紀』では、神武天皇が熊野から大和へ向かう際、神によって遣わされ、その道を導いた大きなカラスとして語られています。

現在では「八咫烏=三本足の鳥」という姿がすっかり定着していますが、日本の古い記述には、三本足とは明記されていません。

後世になって、中国神話に登場する三本足の「三足烏」のイメージなどと重なり、現在の姿が形づくられていったとも考えられています。

ところで、現代の私たちにとってカラスといえば、生ごみを荒らす、少々厄介な鳥というイメージが強いかもしれません。お世辞にも、好かれている鳥とは言えません。

ところが古代の人々にとって、カラスは世界各地の神話に登場する特別な存在でした。その理由の一つは、カラスが驚くほど賢い鳥だからでしょう。

観察力や記憶力に優れ、人間の行動をよく見ているカラス。その姿を見た古代の人々が、そこに「知恵」や「導き」の力を感じたとしても、不思議ではありません。

そして面白いのが、八咫烏が現代にも生きていることです。

サッカー日本代表のシンボルマークに描かれているのも、八咫烏。

「ボールをゴールへ導く」という意味も込められていると考えると、なんとも縁起のいい話です。

さらに、もう一つ驚く話があります。

神話の中で神武天皇の道案内をした八咫烏は、なんと現代では、宇宙への道案内までしているのです。

小惑星リュウグウへ向かい、貴重なサンプルを持ち帰った宇宙探査機「はやぶさ2」。

そのミッションの公式ロゴマークには、八咫烏が描かれています。

神話の時代には、熊野から大和へ。
そして現代には、地球から遥かな宇宙へ。
時代も距離もまったく違うのに、「未知なる道を導く鳥」という役割は、どこか重なって見えます。

前人未到の旅路を迷わず進み、無事に帰ってこられるように――。そこには、そんな願いも込められているのでしょうか。

そう考えると、今度、街角でカラスと目が合ったとき、少しだけ見方が変わるかもしれません。

ただの嫌われ者ではなく、古代から人々の想像力をかき立て、「知恵」と「導き」の象徴となってきた鳥。

もしかすると私たちは、そんな不思議な鳥と、今も同じ空の下で暮らしているのかもしれません。

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神話の世界に、この音楽を……

Joe Hisaishi – Ashitaka and San

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